マイ ウェイ オードパルファム

チュベローズとジャスミンが濃く甘く香り、乾いたシダーが重たさを抑えます。明るいベルガモットから、バニラとムスクへ進む華やかな白い花の香りです。

#463 · 2026-08-25

Giorgio Armani / My Way Eau de Parfum

香水の基本情報と第一印象

ジョルジオ アルマーニのマイ ウェイ オードパルファムは、2020年に世界発売された女性向けの香水です。日本では2021年1月に発売されました。公式分類はフローラル ウッディ。名前には、自分が生きた経験と人との出会いが自分を形づくるという考えが込められ、「I AM WHAT I LIVE」という言葉が添えられています。

香りは、カラブリア産ベルガモットの明るさから始まり、オレンジブロッサム、インド産チュベローズとジャスミンへ進みます。最後は、マダガスカル産バニラとホワイトムスクの柔らかさを、バージニア産シダーが乾いた線で支えます。明るい柑橘、厚くクリーミーな白い花、柔らかな甘さへ進む構成です。

第一印象を短く言うなら、チュベローズとジャスミンが濃く甘く香り、乾いたシダーで重たさを抑えた、華やかな香水です。花は華やかで、香り立ちは軽すぎません。ベルガモットとシダーが輪郭を作るため、暗く重い白い花ではなく、明るさを保ったままクリーミーに深まります。

調香師・ブランドの背景と制作秘話

調香師は、カルロス・ベナイムとブルーノ・ヨヴァノヴィッチの二人です。共同制作の具体的な役割分担は公表されていません。

カルロス・ベナイムはタンジール生まれ。化学を学び、グラースで科学と香りが交わる仕事に出会いました。IFFで50年以上の経験を重ね、2012年に同社初のマスター・パフューマーとなった人物です。

ブルーノ・ヨヴァノヴィッチは、ドイツ、米国、フランスで仕事をし、文化圏ごとの好みの違いに関心を持ってきました。ニッチとメインストリームの両方を行き来することを好む調香師です。世代も経験も異なる二人が、世界各地の素材を一つの白い花の香りにまとめました。

香りの詳細分析

公式構造は、トップ、ミドル、ラストの三段階です。トップはカラブリア産ベルガモットとオレンジブロッサム。ベルガモットの明るく少し苦い柑橘へ、オレンジブロッサムの甘い白い花がすぐに重なります。爽やかさだけで終わらず、最初から花のボリュームを予告する入口です。

オレンジブロッサムは、花をオレンジエッセンスへ浸す低温アンフルラージュ抽出法を用いると説明されています。柑橘の明るさと白い花をつなぎ、次のチュベローズへ自然な橋を架けます。

ミドルは、インド産チュベローズとインド産ジャスミン。主役は、厚くクリーミーなチュベローズです。ジャスミンが花束の横幅を広げ、オレンジブロッサムから続く白い花の輪郭を保ちます。チュベローズはインドのマイソール近郊で手摘みされ、分子蒸留によってクリーミーでベルベットのような面を選び取るとされています。

ラストは、バージニア産シダーウッド、マダガスカル産バニラ、ホワイトムスク。バニラの丸い甘さとムスクの清潔な柔らかさを、シダーが乾いた木の線で支えます。白い花が消えて別の香りになるのではありません。入口の明るさが落ち着き、中盤の厚い花びらの角が取れ、肌へ近い甘さに変わります。

全体を通して、明るい柑橘、密な白い花、柔らかな甘さが順番に前へ出ます。白い花を華やかと感じる人がいる一方、チュベローズの甘さを砂糖菓子のように感じる人もいます。素材名だけでなく、花の厚みと甘さの広がりを肌で確かめたい香りです。

他の香水との比較・ポジショニング

プラダのパラドックスとマイ ウェイは、どちらも明るい白い花と温かな甘さを、ムスクの余韻へつなぐ現代的なフローラルです。ただし、中心の質感は異なります。パラドックスは爽やかなネロリの蕾、温かなアンバー、強いムスクが作る、軽やかで透けるような香り。マイ ウェイは厚いチュベローズ、バニラ、乾いたシダーが中心で、花びらを重ねたようにクリーミーです。白い花とムスクという接点はありますが、同じ香りの代わりではありません。

イヴ・サンローランのリブレとは、オレンジブロッサムとバニラの明るさと甘さが接点です。リブレはラベンダーの香草らしさが骨格を作ります。マイ ウェイはチュベローズが中心で、よりクリーミーな花びらの厚みへ寄ります。涼しい香草感か、白い花の丸みか。入口から方向が異なります。

グッチのグッチ ブルームとは、チュベローズとジャスミンを主役にする白い花のボリュームが共通します。グッチ ブルームは、緑や花茎を思わせる密な花束。マイ ウェイは柑橘とバニラによって、明るさと甘さを強めます。切りたての花束の緑を求めるか、親しみやすい甘い白い花を求めるかで選べます。

三作と比べると、マイ ウェイの位置は明快です。チュベローズの厚みを、明るい柑橘と柔らかなバニラで包む。パラドックスよりも甘く厚い白い花へ進むため、ネロリとアンバームスクの軽さが好きか、白い花の温かさが好きかで印象が分かれます。似た系統というだけで決めず、できれば肌で後半まで確かめたい比較です。

購入ガイド・価格・おすすめ度

2020年発売の初代マイ ウェイ オードパルファムには、2021年のマイ ウェイ インテンス、2022年のマイ ウェイ フローラル、2023年のマイ ウェイ パルファム、2024年のネクター、2025年のイランなどの派生作があります。名前は共通しますが、それぞれ香りの組み立てが異なります。初代を選ぶときは、明るい柑橘、クリーミーな白い花、柔らかなバニラという流れを目印にしてください。

透明なガラスには淡いピンクの香液が入り、青いキャップと金色のリングが重なります。青いキャップは、世界を巡って集めた石のお守りを想起させるもの。リングにはジョルジオ アルマーニの署名が入り、旅の一歩を照らす象徴と説明されています。現行ボトルは詰め替え対応で、マイ ウェイはシリーズ開始時からリフィルを前提にしていました。

日本公式では、2026年8月24日時点で50mL・18,810円と表示されていました。価格や販売状況は変わるため、購入前に公式サイトで最新情報を確認してください。

初めてなら、肌で数時間試すのがおすすめです。甘い白い花が好きな人、チュベローズの厚みを明るくまといたい人には候補になります。砂糖菓子のような甘さが苦手な人や、白い花の広がりを強く感じる人は、後半まで確かめてから選ぶと安心です。

実際の使用感・シーン・評判

春や秋は、明るい柑橘、白い花、バニラの順番を追いやすい季節です。気温の低い夏の夕方も候補になります。ただし、高温多湿ではチュベローズと甘さが大きく広がることがあります。真夏に使うなら、ごく少量から始めてください。

日中の外出や、普段の装いへ少し華やかさを足したい日に。白いシャツ、淡色のワンピース、明るいジャケットとは、清潔な輪郭と柔らかさがよく合います。職場、交通機関、食事の席など、人との距離が近い場所では1プッシュから始めるのが目安です。

持続と広がりは比較的しっかりしているという傾向があります。一方、4〜5時間で肌に近づく人もいれば、終日残る人もいます。固定の時間を期待するより、自分の肌で確かめる方が現実的です。

明るく華やかな白い花と感じる人がいる一方、甘さを砂糖菓子のように感じたり、白い花が強すぎたりする人もいます。紙だけで決めず、肌へ少量をつけ、最初の柑橘、中盤の厚い花、後半のバニラとムスクを数時間かけて追ってください。濃く甘い白い花と乾いたシダーの釣り合いを、自分の肌で確かめて選びたい香りです。

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